愛宕神社の「出世の石段」を下ってしまった私の末路…?港区最高峰・愛宕山周辺の散歩ガイド

こんにちは。

先日、仕事で六本木へ行く機会がありました。
用事を済ませた後、ふと地図を見ていると近くに「愛宕神社(あたごじんじゃ)」があるのを発見。

「せっかくだし、ちょっと寄ってパワーを貰おう!」

そんな軽い気持ちで、六本木方面からてくてくと坂を下っていきましたが、これがすべての間違い(?)の始まりでした。

六本木側から愛宕山トンネルの脇の階段を登る、裏手のようなルートから神社に入ってしまった私。
気づけば、息を切らすこともなくいきなり山頂(境内)に到着していました。

参拝を済ませ、いざ帰ろうと表参道の方へ向かった瞬間、私は戦慄しました。

「……高っ!!!」

目の前に広がっていたのは、崖のように切り立った急勾配の石段。
そう、これこそが有名な「出世の石段」だったのです。

今回は、私が体験した「出世の石段を下る」という恐怖体験と、これから行く人のために「正しい愛宕神社の楽しみ方&周辺のおすすめ散歩コース」をご紹介します。


傾斜40度の恐怖!「出世の石段」は下りの方が怖い



私が到着したのは石段の上。つまり、帰るためにはここを下らなければなりません。

上から見下ろすと、足がすくむほどの角度です。
調べてみると、その傾斜は約40度、段数は86段あるとのこと。スキー場で言えば上級者コースの「壁」です。

手すり(鎖)にしがみつきながら、恐る恐る足を運びましたが、その時私の脳裏をよぎったのは「出世」の二文字ではなく、こんな確信でした。

「この石段から転落して、救急車で運ばれる人は絶対にいるはずだ…」

一歩踏み外せば、一番下までノンストップ。
結果として私は「登らずに下っただけ」だったので、出世のご利益があったかは定かではありませんが、「最大の難所を生きて切り抜けた」という点では、ある意味強運になれたのかもしれません(笑)。

※実際、雨の日やヒールでの「下り」は本当に危険なので、自信がない方は迷わず裏手の「女坂」かエレベーターを使いましょう。


そもそも「出世の石段」って?下ると運気が下がる?

さて、なんとか地上に降り立ったところで、改めてこの石段の由来をおさらいしておきましょう。

由来は江戸時代の「馬術チャレンジ」

時は寛永11年(1634年)。三代将軍・徳川家光公がここを通りかかった際、山の上に咲く梅を見てこう言いました。
「誰か、馬に乗ってあの梅を取って参れ」

家臣たちが「いや、この角度は無理でしょう…」と尻込みする中、颯爽と馬で石段を駆け上がったのが、四国丸亀藩の曲垣平九郎(まがき・へいくろう)という武士でした。
彼は見事に梅を手折り、家光公に献上。「日本一の馬術の名人」と讃えられ、その名が全国に轟いたことから
「出世の石段」と呼ばれるようになりました。

下ると出世できない?

私のように「下っただけ」の人や、帰りにここを下る人が気にするのが「下ると運気が下がるのでは?」という疑問。

結論から言うと、心配無用です。
なぜなら、伝説の平九郎も、馬で登ったあと、馬に乗ったまま下りてきて梅を献上しているからです。つまり「行って帰ってくるまでが偉業」なのです。

ですので、私のように逆走してしまった方も、「平九郎の後半パートを再現した」とポジティブに捉えましょう!


せっかく来たならここも!愛宕山周辺の「寄り道」スポット

愛宕神社がある「愛宕山」は、標高26m。実は東京23区内で一番高い自然の山です。
せっかく港区の真ん中にある「山」に来たのなら、神社だけでなく周辺も散策してみませんか?
私が歩いて見つけた、おすすめスポットを3つ紹介します。

1. 放送の聖地「NHK放送博物館」

神社のすぐ隣にあるのが、NHK放送博物館。
実はここ、日本のラジオ放送が始まった場所なんです。
入場は無料。「あー、これ子供の頃見てた!」という懐かしい番組のアーカイブや、最新の8Kシアターなどがあり、意外と見応えがあります。神社の厳かな雰囲気とはまた違う、知的な刺激がもらえます。

2. レトロな異空間「愛宕トンネル(愛宕隧道)」

 神社の脇にあるトンネルです。私が今回、意図せず通ってしまったルートの近くにあります。
なんと完成は昭和5年(1930年)。23区内で一番古い道路トンネルとも言われているそうです。
レンガ造りのような重厚な入り口は、まるで異世界への入り口のよう。写真映えも抜群です。
ちなみに、このトンネルの横には愛宕山に登るエレベーターがあります。「石段はキツイけど参拝したい」という方は、ここから上がるのが正解です。


3. 新旧のコントラスト「虎ノ門ヒルズ」

歴史ある愛宕山を下りて少し歩くと、そこには最新鋭の虎ノ門ヒルズがそびえ立っています。
江戸の情緒を残す神社と、未来的な高層ビルのコントラストこそ、このエリアの醍醐味。
参拝後のランチやカフェ休憩は、虎ノ門ヒルズ内のレストランが充実していておすすめです。




まとめ:おすすめの「出世散歩」ルート

私のような「逆走」もスリルがあって面白かったですが(笑)、やはり王道を楽しみたい方には以下のルートをおすすめします。

  1. 【スタート】 虎ノ門ヒルズ駅、または神谷町駅

  2. 【難所】 正面の鳥居から「出世の石段」を登る(ここで汗をかいて出世祈願!)

  3. 【参拝】 愛宕神社にお参り

  4. 【見学】 隣のNHK放送博物館へ

  5. 【下山】 帰りは安全第一で「エレベーター」または緩やかな「女坂」で下りる

  6. 【ゴール】 愛宕トンネルを見てから、虎ノ門ヒルズで優雅にランチ

これから行かれる皆さんは、ぜひ下から見上げて、その壁のような石段にチャレンジしてみてください。
登りきった後の景色は、きっと格別なはずです(私は下りの恐怖しか覚えていませんが!)。

それでは、良い出世(?)ライフを!


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