「食べてないのに太る」はなぜ?年齢による代謝低下と「7200kcal」の法則で知る、大人の正しいダイエット論



「昔と同じ食事量なのに、なぜか太っていく」

「運動を始めたのに、体重計の数字が減らない…」

「水を飲んだだけでも太る気がする」

30代、40代と年齢を重ねるにつれて、こんな悩みを持つことはありませんか?

若い頃は少し食事を抜けばすぐに痩せたのに、今は何をしてもびくともしない。それはあなたの努力が足りないからではなく、体の仕組み(数字)が変わっているからです。

今回は、なんとなくのダイエットで失敗しないために知っておきたい、「基礎代謝」「カロリー」「水分の正体」について解説します。この数字の仕組みを知れば、ダイエットの焦りや不安がぐっと減るはずです。



🍎 なぜ年齢とともに太りやすくなるのか?(基礎代謝の真実)

まず、残酷な現実から直視しなければなりません。それは**「基礎代謝の低下」**です。

基礎代謝とは、心臓を動かしたり体温を保ったりするために、「生きているだけで勝手に消費されるエネルギー」のこと。

この基礎代謝は、10代後半〜20代をピークに、年齢とともに徐々に低下していきます。その最大の原因は、加齢に伴う「筋肉量の減少」です。筋肉は多くのエネルギーを使うエンジンですが、このエンジンが年々小さくなっていくため、燃費が悪く(=太りやすく)なってしまうのです。

例えば、30代女性は、20代の頃に比べると1日あたり約50〜100kcal程度、基礎代謝が低下していると言われています。

たった50kcalですが、1年(365日)積み重なれば約18,000kcal。これを脂肪に換算すると、食事量を変えていなくても、1年で約2.5kgずつ太っていく計算になります。

「昔と同じ量しか食べていない」というのは、今のあなたの代謝にとっては「食べ過ぎ」になっている可能性があるのです。


⚖️ 脂肪1kgを減らすために必要なエネルギーは?(7200kcalの法則)

では、ついてしまった脂肪を落とすにはどうすればいいのでしょうか?ここで覚えておきたい絶対的な数字があります。それは「7,200kcal」です。

体脂肪は、脂肪細胞と水分などで構成されており、純粋な脂肪1gは約9kcalですが、体脂肪1kgとして見た場合、約7,200kcalのエネルギーに相当するとされています。

人間の体脂肪を1kg減らすためには、この約7,200kcalのエネルギーを消費(または食事制限でカット)する必要があります。

どうでしょうか?「7200」と聞くと、途方もない数字に思えますよね。だからこそ、ダイエットは「1日」でどうにかしようとしてはいけません。

例えば、1ヶ月で1kg痩せたいと目標を立てたとします。

$$7,200\text{kcal} \div 30\text{日} = 240\text{kcal}$$

つまり、「毎日240kcal分」のマイナスを作れば、計算上、1ヶ月後に確実に1kgの脂肪が消えることになります。

「昨日たくさん運動したのに痩せてない!」と焦る必要はありません。脂肪は1日では減りませんが、積み重ねれば確実に減っていきます。


💧 「水を飲んでも太る」は本当か?(脂肪と水分の違い)

ダイエット中、体重計に乗って「昨日より1kg増えてる!水しか飲んでないのに!」とショックを受けた経験はありませんか?

ここで重要なのが、「脂肪による体重増加」と「水分による体重増加」を分けて考えることです。

結論から言うと、水を飲んでも太りません(脂肪はつきません)。水は0kcalなので、どれだけ飲んでも脂肪の材料にはならないからです。

しかし、水には「重さ」があります。500mlの水を飲めば、直後に体重計は0.5kg増えます。これは物理的に当たり前のこと。また、塩分を摂りすぎると体は濃度を薄めようとして水分を溜め込みます(いわゆる「むくみ」)。

翌日いきなり増えた1〜2kgの体重は、そのほとんどが「水分」です。

脂肪を1kg増やすには7,200kcal(フルコース料理3回分くらい)の過剰摂取が必要なので、1日で脂肪が1kg増えることはまずあり得ません。

むしろ、水を控えると代謝が落ち、老廃物が溜まって痩せにくくなります。体重計の数字のアップダウンに一喜一憂せず、水分はしっかり摂りましょう。


💪 「運動すれば痩せる」は本当か?

「痩せるために毎日ランニング!」という方も多いですが、実は運動だけで痩せるのは非常に効率が悪いです。

体重60kgの人が30分ウォーキングをして消費できるのは、約100〜150kcal程度。おにぎり1個分にも満たないのです。

脂肪1kg(7200kcal)を運動だけで燃やそうとすると、フルマラソンを2〜3回走らなければなりません。

「じゃあ、運動は意味がないの?」

いいえ、そうではありません。運動の真の目的は、カロリー消費ではなく「筋肉の維持」にあります。

ただ食事を減らすだけのダイエットをすると、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまい、最初に説明した「基礎代謝」が下がってリバウンドしやすい体になります。

食事で脂肪を落とし、運動で筋肉(代謝)を維持する

これが、大人のダイエットの鉄則です。


🎯 結局、何をすればいいの?(賢い大人のダイエット戦略)

これまでの話をまとめると、やるべきことはシンプルです。

  • 目標を数字で管理する

    1ヶ月で1kg減らすなら、1日マイナス240kcalを目指す。

  • 食事8割・運動2割

    240kcalを減らすなら、運動で消費するより、間食やお酒、揚げ物を少し控える方が確実で簡単です。

    💡 240kcalの目安: ショートケーキ一切れの約半分、または缶ビール(350ml)1本、ご飯をいつものお茶碗半分減らすだけでも達成できる数字です。

  • タンパク質をしっかり摂る

    筋肉の材料となるタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品)を意識して摂り、代謝の低下を防ぎましょう。

  • 体重計の「水分」に騙されない

    日々の細かい増減は「水分の誤差」。長期的なトレンド(週単位・月単位)を見ましょう。

年齢とともに体は変わります。でも、仕組みさえ知っていれば怖くありません。


無理な断食や激しい運動で自分を追い込むのではなく、「1日240kcalの小さな見直し」から始めてみませんか?

それが、遠回りのようで一番確実な、リバウンドしない大人のダイエットへの近道です。


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